2012年11月28日水曜日

[REPORT]アメリカ人の時間消費を分析 「レジャー時間の半分がTV視聴」

先ごろ日本のレジャー市場の参加率や市場規模をまとめた『レジャー白書』が発表された。アメリカでは、「生活の中で、どういったことに時間を使っているのか」を調べる『American Time Use Survey』(ATUS)がある。2011年に実施された調査結果の中から、どういったレジャーに時間が使われているかを見てみよう──。 〔編集部=田中剛〕

『American Time Use Survey』(ATUS)によると、米国では15歳以上のほぼすべての人が平均すると毎日何らかのレジャーをして(engage)いる。たとえば、テレビを観たり、人付き合いをしたり、エクササイズをしたり。1日あたりの平均消費時間は男性が5時間48分で、女性の5時間12分を上回った。
TV視聴は1日平均2時間45分(前年より微増)で、レジャー時間の約半分という最も多くの時間を占める。次いで時間が多いのが、友人を訪ねたりおしゃべりしたりといった「人付き合い」(Socializing and Communicating)で、平均時間は42分。なお、これらは非行為者を含めた全体平均の時間。レジャー項目のうち、TV視聴および人付き合いの、調査対象期間における行動者率はそれぞれ、78.3%、35.6%。
ちなみに、NHKが実施している「国民生活時間調査2010」によると、日本人の平均のTV視聴時間は平日で3時間28分(※1)。また、博報堂DYメディアパートナーズが2011年に実施した「メディア定点調査2011」によると東京地区の生活者の1日のTV接触時間は2時間41分。

 
ATUSによると、スポーツ、エクササイズ、レクリエーションの1日平均の消費時間は18分。参加者率は男性20.4%、女性16.9%で、参加者における消費時間は男性1時間54分、女性は1時間18分。
75歳以上の層がレジャーやスポーツに費やしている時間は1日平均7時間24分で、他のどの年齢層よりも多い。25歳~44歳は4時間12分で、他の年齢層よりも少ない。もう少し詳しく見ると、25歳~34歳のレジャー&スポーツの消費時間は、平日では3時間38分、週末&休日では5時間39分。35歳~44歳は、平日では3時間36分、週末&休日では平均5時間41分。
個人的な関心の読書、ゲーム、レジャー目的のコンピュータ使用時間は、年齢により多様であった。75歳以上の層は週末の1日に読書を58分し、ゲームやコンピュータを21分する。その一方で、15歳から19歳の層はわずか7分しか本を読まず、ゲームやコンピュータに1時間12分を費やしている。
 
 
レジャーに使える時間の長さは同居家族の構成によって大きく変わることを示しているデータもある。例えば、家事を主に担当してくれる人と住んでいる就労者で、かつ18歳より小さな子供のいない人の、1日あたりのレジャーやスポーツの消費時間は4時間30分。これは6歳より小さな子供と暮らす就労者よりも1時間多い。
また、本調査では性別、年代別の消費時間のほか、収入別、学歴別、人種別といった分析も可能だ。レジャー消費時間の最も多くの時間を占める「TV視聴」は、平日、週末いずれにおいても収入が高い層ほど少ない。その一方で、「読書」の時間は、平日、週末いずれにおいても、収入が高い層ほど多い。TV視聴に次いで多くの時間を費やしている「人付き合い」の時間は、収入による差がほとんどない。
 


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